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2017/10/19 09:00 | wineplat

ワインダイヤモンズ 尾崎裕氏セミナーレポート

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2017年10月11日
ワインアドバイザー
萩野浩之

ⓒwineplat/尾崎裕氏

オーストラリアとニュージーランドのナチュラルワインを中心に輸入をしているワインダイヤモンズの営業、尾崎裕さんをお迎えし、10月11日に「麻布十番ワイナリー」にて試飲会とセミナーが行われました。
そのセミナーをレポートさせていただきます。

ⓒwineplat/麻布十番ワイナリー
ⓒwineplat/麻布十番ワイナリー

ワインダイヤモンズは、オーストラリアやニュージーランドの中でも、時代の最先端を走っている(ように見える)造り手を扱い、現在ではそれらのワインを知ってオーストラリアに興味を持ったという方がかなり増えています。しかし、これらの生産者が流通の場に登場するに至るまでの背景を認識しておくという事が、実は非常に重要だと考えています。
ワインダイヤモンズの取り扱いはナチュラルワインが多いですが、モダン(インターナショナル)なスタイルのワインを否定するものではなく、先人たちに敬意を払いながら先端を走る造り手のワインをも愛するという事と、そして後世に何を残せるかを考えている造り手を大事にしてからこそと言えます。

本日のテイスティングは、セミヨンの白、シラーズの赤、それぞれクラシックスタイルと自然派のものとを比較することで、自然派ワインが登場するそのバックボーンを認識してほしいと思います。
白ワインの代表的な産地はオーストラリア東南部、シドニーやキャンベラを要するニューサウスウェールズ州のハンターヴァレーのセミヨン。赤ワインはオーストラリア中央部の南側、アデレードを擁する南オーストラリア州のシラーズ。先人のワインと今を代表するワイン、この違いを見て行きましょう。

1、ブラエモア セミヨン 2007 トーマス ワインズ
ニューサウスウェールズ州/ハンターヴァレー
白・セミヨン アルコール10.5度
ハンターヴァレーは商業ベースで初めてブドウ畑が造られた土地で、ここのセミヨンはオーストラリアの白ワインを語る上で避けては通れない。ブドウを早摘みすることで酸が強く、アルコールは低いが長期熟成する。10年近くの熟成を経て、香ばしい熟成香が出てきている。
この地域で最も有名なティレルズという生産者で醸造していたアンドリュー トーマスが立ち上げた、クラシックスタイルのワイナリーです。
2、アジザズ セミヨン 2016 ハーカムエステート (新入荷)
ニューサウスウェールズ州/ハンターヴァレー
白・セミヨン アルコール11度
古樽を使って野生酵母のみでの発酵。亜硫酸は瓶詰時に10ppmほど添加。生産量800ケース。
こちらもブドウは早摘み(通常より2~3週間早い)で、酸を残しながらアルコールは低く、しかし長期熟成を感じさせる。
コーシャ(kosher)認定を受けている。コーシャとは、ユダヤ教の資格を持ったラバイ(ユダヤ教の指導者)が製造工程をその目で確かめるユダヤ教の教義に従った安全な食品であるという認定のこと。造り手もユダヤ系の人である。これはワールドスタンダードとなっているが、日本ではほぼ認知されていない。
3、シラーズ 2006 S.C. パネル
南オーストラリア州/マクラーレン ヴェール
赤・シラーズ アルコール14.5度
濃厚、濃密でアルコールも高い。これが代表的な南オースオラリアのシラーの味わいであり、ルーシーマルゴーやヤウマなどを理解する上で知っておいてほしい。オーストラリアワインの生産量の半分はアメリカで飲まれている。味覚の指針が甘味料になれた人達であるため、アルコールと樽でインパクトを付けたワインが標準となっている。
4、ロマネ タフ シラー 2014 ショブルック ワインズ
南オーストラリア州/バロッサ ヴァレー
赤・シラーズ アルコール13度
標高の高い畑、ホールパンチで野生酵母のみで発酵、亜硫酸はボトリング時のみごく微量。収穫は早い。
ジューシーな果実味、涼しさを感じる酸味。
フランスからクレームが入り、2015年以降は自主的に「トミー フィールド」に名前を変更。

オーストラリアは建国120年ほどの国。その昔は英国の囚人を送り込むための植民地であったという歴史がありますが、開国後は独自の文化を育んできました。首都となるキャンベラは当初から都市計画がなされ、シドニーとメルボルンの間に位置しています。
ワイン産地は寒暖差が激しくブドウがよく熟すので、アメリカ市場を睨んだ濃厚なワインのイメージがありますが、秀逸な生産者の熟成したワインは文句なく美味しいと言えます。話題になっているルーシー マルゴーやヤウマやショブルックなども、過去を否定するのではなく、先人たちに敬意を払い、自分たちの道を進んでいるという事を考えないといけません。それらの味わいはまったく違うものですが、ナチュラルワインを味わうと同時に、先人達のよさやバックボーンを感じる事にも意味があると思います。

今日は伝統的なスタイルのワインとナチュラルワインを比較しながら、オーストラリアワインの歴史的な流れを見て行くという内容でした。

 

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